兎に書く

現役ライターたちによるノンジャンルブログ

大人に勧めるオトナノススメ

怒髪天というバンドをご存じだろうか?JAPANESE R&E(ロック&演歌)を標榜し「フォロワーバンドもなかなか出てこない」と自ら語るほどの独自路線を長年歩んできたロックバンドである。彼らは決して知名度が高いとは言えないが、昨年の大河ドラマ「いだてん」を視聴していた方なら、黒澤明役として出演していたボーカルの増子直純に見覚えがあるかもしれない。

 
その怒髪天が結成35周年を迎えたことを祝して、怒髪天を愛する総勢220名の著名人(各界の筋金入りのオトナのプロ)が結集し彼らの代表曲「オトナノススメ」を歌い上げたのが今回紹介させていただく『怒髪天、もっと!もっと!愛されたくて35年。トリビュート「オトナノススメ~35th 愛されSP~」』だ。

 

こちらのMVはYouTubeで公開されている。

 

www.youtube.com

 

このトリビュート、何と言っても参加者の豪華さ、幅広さが尋常ではない。
古くから親交のあるthe pillowsTHE COLLECTORSのメンバーや大木兄弟をはじめ、スガシカオトータス松本ウルフルズ)、斉藤和義綾小路翔気志團)、チバユウスケ大槻ケンヂ、さらには山本譲二、吉川晃司といった大御所が参加している点も見逃がせないし、アニソン界からは「ドラゴンボールZ」の主題歌を歌い、レイジーのボーカルとしても知られる影山ヒロノブが参戦しているのも面白い。加えて現代芸術家の奈良美智リリー・フランキーも名を連ねており、「オトナのプロであれば誰でもOK!」と太っ腹なスタンスがなんとも怒髪天らしい。


また、怒髪天とは直接関係のないトピックだが、このトリビュートにはTHEE MICHELLE GUN ELEPHANTのメンバーが、病没したアベを除いて揃い踏みしている。これだけで胸が熱くなるロックファンは多いはずだ。


増子は本作を「日本版We Are The World」と称していたが、その名に恥じぬメンバーの豪華さである。

そしてなにより、いい中高年のオトナたちが寄って集まって「大人は最高!人生楽勝!青春続行!」と声高々に歌い上げるの様子がなんとも痛快である。「歳を食うのも捨てたもんじゃないだろ?」と、怒髪天が日ごろから発信しているメッセージを参加アーティスト全員で体現しているようで、まさに怒髪天のアニバーサリーを祝すにふさわしいMVとなっている。


読者のオトナの諸兄も、ぜひ一度このMVを、そしてこのトリビュートされたオトナノススメという曲をチェックしてもらいたい。きっと知ってる歌声が聞こえてくるはずだ。

 

この曲が、日々の煩わしいオトナの社会人生活の気晴らしになれば、筆者は怒髪天の1ファンとしてこれ幸い、嬉しい限りだ。

 

<書いた人>
べこ坂 / ロックと2次元アイドル。