兎に書く

現役ライターたちによるノンジャンルブログ

同級生のヒョードル君

昨年の12月29日、「BELLATOR JAPAN」において“ロシアン・ラストエンペラー”と呼ばれた格闘家、エメリヤーエンコ・ヒョードルが、日本国内における最後の試合としてクイントン・"ランペイジ"・ジャクソンと対戦し、2R・2分44秒でKO勝利を飾った。

 

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かつて「PRIDE」の全盛期をけん引した立役者のひとりで、その圧倒的な強さから“60億分の1の男”とも呼ばれていた。そんなヒョードルと私には共通点がある。

 

 

それは……「1976年生まれ」

 

つまりは、タメ、ということだ。しかも同じ9月生まれ。だから、私からすると、心情的には同い歳としての親愛の情を込めて「ヒョードル君」と呼びたいのだ。ちなみに、「ヒョードル君」のイントネーションは「いっこく堂」と同じだと考えていただきたい。

加えて、1976年の9月といえば、週刊少年ジャンプで、当時は「山止たつひこ」と名乗っていた秋元治が「こちら葛飾区亀有公園前派出所」を連載開始した。あと、芸人のデッカチャンも9月4日生まれだ。他にも多くの線によって様々な因果宇宙を形成している1976年9月なわけだが、ともかく私、ヒョードル君、こち亀デッカチャンは、運命の輪によって繋がっているのだ(はぁ?)。

ヒョードル君は強い。漫画「クローズ」の鈴蘭高校に置き換えて考えれば、おそらく1年戦争の覇者になっていただろう。確かに、同級生にも強者はひしめいている。ヴァンダレイ・シウバ(7月3日)、アントニオ・ホドリゴ・ノゲイラとホジェリオ・ノゲイラの兄弟(6月2日)、ヤンキー世界との親和性も高い元千代大海の14代九重親方(4月29日)、プロレスラーの棚橋弘至(11月13日)……あとは「湘南乃風」のSHOCK EYE(12月14日)とかコリン・ファレル(5月31日)とか三瓶(11月23日)とかクロちゃん(12月10日)とか、そしてデッカチャンとか……まあとにかくひしめいている。それでも、まあなんやかんやでヒョードル君が覇者になるだろう。なんやかんやで、だ。とりあえずそういうことにしておいてくださいすいません。

 

そんなヒョードル君は、現在、若手選手の育成に力を注いでいる。件の試合後も、そして試合前も、そのことを意識した発言を幾度もしている。自身の引退をボーダーラインとして、ヒョードル君は、既にネクストステージに進んでいる。そう、気が付けば、もうそんな感じの年齢なのだ、1976年生まれは。そんなヒョードル君の進路は、私が「兎に書く」を始めたことにも繋がっている。高校卒業を前にして、同学年の一番強ェー奴に影響を受けたかのように。

まあ、自分みたいなもんが大上段に若手育成とのたまうのは口幅ったいが、少なくとも、このブログを立ち上げたことが、自分にとって、そして関わってくれる人にとっても、新しい何かが動き出す端緒になればとは思っている……いや、どうなんだろう……なるのかならないのか……うーん、まあ、“見るまえに跳べ”ということで、とにかくやってみよう。そんな次第。

 

 <書いた人>

結城昌弘 / 1976年生まれのライター。フリーランスを経て、ゲーム業界へ。「ヒーローバンク」シリーズや「ロリポップチェーンソー」などの開発に参加。現在は主にシナリオ執筆・監修業務に従事。